導入事例

ジェイアールバス関東株式会社
(点呼支援システム)
ジェイアールバス関東株式会社
運輸業務アプリケーション開発500~1,000人
2022/5/11

点呼支援システムで運行管理を効率化。
乗務員の健康状態を可視化し、安全運転の確保と働き方改革の実現へ。

■主な効果

(1)点呼の確実な実施
システムが指静脈認証装置、血圧・脈拍計、体温計、アルコール検知器と連動し、検査漏れや点呼執行の失念を防止します。
(2)各種データの反映
当日のバイタルデータ(体温・血圧・脈拍)のほか、健康診断結果・運転適性診断結果・事故歴などをもとに、運行管理者が乗務員の特性に合わせた注意や指示伝達をすることができます。
(3)乗務員管理業務の効率化
勤怠管理システムと連携することで、勤務実績などを自動的に反映します。

《点呼支援システムによる運用事例を
動画でご紹介します》

※この動画には音声が含まれます。

2021年4月、国土交通省の「遠隔点呼の実証実験」に参画

ジェイアールバス関東様は高速バスを主体としたJR東日本グループのバス運行事業者であり、福島県から愛知県までの広範なエリアを17支店2営業所で事業展開。「安全・安心と快適なサービスで日本一のバス会社」をスローガンに掲げ、特に安全・安心に最大限の配慮を行っています。

同社は経営目標「運行管理近代化」のもと、運行管理業務の大胆な見直しを2017年から着手。その改革目標の1つに「点呼業務のシステム化」がありました。アルコールチェック、体調確認、注意事項の指示伝達など、運輸事業者に必須となっている乗務員の点呼。法令により実施の徹底が求められているものの、アルコール検査の確認も出勤簿への記入等、ほとんどの業務が手作業に委ねられていました。

点呼業務に関する一連の作業を電子化するため、2019年2月から構築に着手。周辺機器やシステムと連携、必要な点呼機能すべてを統合した「点呼支援システム」を2020年4月に本格稼働しました。点呼の「身代わり」「なりすまし」「すり抜け」を完璧に防止できる画期的なシステムとして、同業他社からも高い評価を受けています。国土交通省も「点呼支援システム」の可能性に着目し、2021年度から「遠隔点呼の実証実験」を開始。ジェイアールバス関東様は「点呼支援システム」を使ってこの実証実験に参画しています。

IT点呼支援システム

点呼支援システムによる運用の流れ

(1)運行状況表示
運行状況表示
乗務員は点呼簿に代わり運行状況表示モニターで出勤・乗務前点呼時刻の確認を行います。
(2)出勤・本人確認
乗務員は指静脈認証装置による本人認証後、システム画面に従って、出退勤時刻・使用車両を確認し、前日飲酒の申告を行います。前日に飲酒をした場合はマイクに申告を行い、その申告内容は録音されます。
(3)飲酒検査
飲酒検査
アルコール検知器による酒気帯びの確認を行います。ICカードリーダに免許証をかざして検知器に息を吹きかけます。規定値以上のアルコールが検知された場合は健康状態自己申告、乗務前点呼を実施できません。飲酒検査終了後、健康状態自己申告を行います。
(4)本人体調確認
体温・血圧・脈拍を測定します。健康状態に関する設問への回答及び前日の睡眠時間を申告します。これらの情報はシステムに自動的に登録されます。その後、運行に関する指示事項を確認します。
(5-1)スマートロッカー連携(対面点呼の場合)
一部の支店ではスマートロッカーとシステムが連携しています。飲酒検査が終了するとロッカーの操作が可能になります。乗務携行品及びエンジンキーの受取はシステム側で制御されています。
(5-2)鍵管理機連携(遠隔点呼の場合)
遠隔地では鍵管理機とシステムが連携しています。飲酒検査が終了すると鍵管理機の操作が可能になります。操作できる扉の鍵はシステム側で制御されています。担当する勤務に必要な携行品のみを取り出すことができます。一定時間が経過すると鍵管理機を操作できなくなります。
(6)運行状況表示モニターの状況表示
モニターに出勤時刻・飲酒検査時刻が打刻され、健康・睡眠欄に●印が表示されます。
(7-1)乗務前点呼(対面点呼の場合)
なりすまし防止のため、乗務員と点呼執行者は指静脈認証装置で本人認証後、点呼を開始します。点呼執行者は乗務員の申告内容及び免許証・使用車両の日常点検結果・携行品等の確認を行います。点呼確認画面に、飲酒検査結果・バイタルデータ・運転適性診断結果等、各種データが表示され、乗務員の特性に応じた指示を伝達します。
(7-2)乗務前点呼(遠隔点呼の場合)
乗務員と点呼執行者はスマートフォンやパソコンに対応したビジネスチャットツールを利用して映像を確認しながら遠隔点呼を実施します。点呼執行者は以下の内容を確認します。
乗務前点呼
  • ・運転者名
  • ・運行車両
  • ・アルコール検査器使用の有無
  • ・酒気帯びの有無
  • ・健康状態(乗務員の疾病・疲労・睡眠不足等)
  • ・日常点検の状況
  • ・指示事項(本人の特性に合わせ指示伝達) 
  • ・その他必要な事項
  • ・乗務可否の判断
(8)運行状況表示モニターの状況表示
運行状況表示モニターの状況表示
モニターに点呼状況がリアルタイムに表示されます。乗務前点呼が終了するとすべての項目欄に●印が表示されます。点呼執行者はこの画面で状況を把握します。この画面の内容はシステムに自動保存されるため、日々点呼簿を印刷して保存する必要はありません。点呼簿が必要な時はシステムより印刷可能です。
(9)乗務後点呼
勤怠管理システムと連動することで次勤務表示や超過勤務時間の反映も可能です。
(その他)広域カメラ
広域カメラ
点呼場等に広域カメラを設置し、乗務員の身代わり・なりすまし・すり抜けを防止します。広域カメラとは、遠隔点呼を実施する場所が満たすべき施設・環境要件に合わせて、設置しているカメラのこと。カメラの要件「運転者の全身及びアルコール検知器の使用状況を確認するため、運行管理者等が必要に応じて映像を確認できるように点呼場の天井等に広域カメラ等を設置」に合わせて行います。
(その他)休養室管理
休養室管理
休養室予約システムは入退室管理システムとAPIで連携しています。ICカードで乗務員自らが休養室を予約できます。運行管理者は乗務員の休養状況・部屋の稼働状況を容易に把握できます。スマートロックを活用したクラウド型入退室管理システムにより、部屋鍵の持ち帰りや紛失防止、オートロックによる盗難防止を実現しています。

ジェイアールバス関東株式会社 会社概要

会社名 ジェイアールバス関東株式会社
設立 1988年3月3日
資本金 40億円
事業内容 1.旅客自動車運送事業
2.貨物軽自動車運送事業
3.自動車整備業、自動車小売業及び自転車小売業
4.旅行業
5.損害保険代理業及び生命保険の募集に関する業務
6.自動車ターミナル業
7.広告業
8.駐車場の経営、倉庫業、小荷物預り業及びコインロッカー業
9.不動産の売買、賃貸、仲介及び管理
10.酒類、煙草、郵便切手類、印紙、医薬品、化粧品、書籍及びスポーツ用品の小売業
11.車両の運行、運行管理、点検、保守に関する業務の請負
12.その他